生え代わる前に乳歯を失ったら
こんにちは。昨日、今日と12月にもかかわらず暖かいですね。
今日は「生え代わる時期の前に虫歯などで早期に乳歯を失ったら・・・」についてです。
永久歯に対して乳歯の虫歯は、虫歯としては基本的に同じなのですが、急性に進行するケースが多く、あっという間に歯は崩壊してしまいます。早期に発見し適切な処置を施せばいいのですが、処置が遅れ、歯の頭のみならず根の部分まで崩壊してしまうと残念ながら生えかわる時期より前であっても抜歯をせざるを得なくなります。永久歯の先天性欠如があるような場合でない限り、通常乳歯はいずれは脱落する運命にあるのですが、その時期より前に失ってしまうと他の歯の位置関係に狂いが生じ、永久歯が出てくるときに影響が出てきます。従って抜きっぱなしで放置することなく、歯を失ったことによってできてしまったスペースを後続永久歯が生えてくるまでの期間保っておく必要があるのです。そのための装置を「保隙装置」といい、これにはざっと以下の5種類があります。
①バンドループ

早期に失った部分の隣の歯に金属のバンドを巻き、そのバンドに取り付けたループによって空隙を保ちます。

このようにその下から歯が生えてきた時点で、撤去してやります。
②クラウンループ
バンドを巻くべき歯の虫歯の状態などにより、バンドを巻くのではなく冠をかぶせ、それにループを取り付けたものです。基本的な装置の構造はバンド・ループと同じです。
③インレーバー
バンドを巻くべき歯の虫歯の状態などにより、バンドを巻くのではなく歯の溝に沿った詰め物(インレー)を入れ、それに棒状の突起(バー)を取り付けたものです。基本的な装置の構造はバンド・ループと同じです。
④ディスタル・シュー

第一大臼歯(6番)が生えてくる以前にE(第二乳臼歯)を喪失した場合に使います。Eに沿って6は生えてくるのですが、そのEを失うと6は前方傾斜した位置に生えてきてしまいます。そこで、Dを使って6の生えてくるガイドを作ってやることになるわけです。
⑤小児義歯

食べ物を噛むという機能の回復と保隙という両方の目的で使う小児用の有床義歯です。上図は左右のDを失ったケースで、その部分がひとつの入れ歯で修復されており、上記4装置と異なる点は「自身で着脱が可能」だということです。(可撤式保隙装置と言います。これに対し上記4装置は固定式保隙装置と言います。)上記4装置より優れている点は噛む機能を持っていることと歯を削らず型さえ取れば簡単に作れることですが、逆に欠点は簡単に外せるために、その子がきちんと使ってくれるかどうかで効果が変わってしまう不確実さです。
最後に・・・
残念ながらこれらの装置は健康保険が使えません。そんなに高額な装置ではありませんが、それよりもこのような装置のお世話にならないように早期のうちに虫歯の治療をしましょう。いずれは生え代わるから・・・なんて考えてはダメです。



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